幸せを阻害する不安

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夢診療所35

その35)
(帰省)
「こんにちは」A氏の挨拶は弱々しかった。
「こんにちは、Aさん。どうされましたか。元気がないようですねえ」受付嬢は心配顔で問いかけた。
「はい、昨夜遅く田舎から自宅へ帰って来たものですから少々疲れました」
「田舎はどちらですか」
「福島です」
「福島からだと3、4時間かかりますか」
「はい、昨夜は途中食事をしたり、休憩を入れましたので、5時間ぐらいかかりました。それに下の子が腹痛を起こして途中、芝公園出口で高速を下りたのです」
「そうなのですか。それはハプニングがあったのですね」
「ハプニングは実は、それだけではなかったのです」A氏は核心に迫ろうとしていた。
「他にも何かあったのですか」受付嬢は不安な表情になった。
「大変なことなのです。田舎に背広を置き忘れて来てしまったのです」
「それはとんだことでしたね。背広に大事なものが入っていたのですか」
「はい、いくつかの大事な物が入ってました。職場のIDカードと鍵と銀行のキャッシュカードなどです。その他に手帳やメモ帳も入ってました」
「それは、なければ不自由な物ばかりですね」
「はい、毎日使う物ばかりなので、昨夜、気づいた時にすぐ取りに帰ろうと思ったほどです」
「それほどまで考えられるとは余程重要な物だったのですね」
「そうですよ。IDカードがなくてはタイムカードが押せませんので不便ですよ。また、そのカードを使わないと通用口が通れなかったり、コピー機が使えないので不便なのです。また今週は給料日なのでキャッシュカードがないと金を下ろせないのも不便ですね」
「それはさぞかし気づかれた時にはショックだったでしょうねえ」
「はい、ショックなんてもんじゃありませんでした。自分を責める気持ちで一杯だったんです。何故なら、僕は二度も三度もその背広を忘れたら大変なことになると予感しながら、注意をしていたんです。何度も注意していたにも拘らず、最後には一番大事な背広を置き忘れて来てしまったことが、ショックでショックでたまりませんでした」
「はあ、本当にAさんのお気持ちをお察し申し上げます」
「でも、いつまでも悔やんでばかりはいられませんので、今週末に再び、田舎へ帰り、取りに行こうと思いました」
「一つ疑問なのですが、ご実家にはどなたもいらっしゃらないのですか」
「はい、義理の姉が月一回、掃除に戻ることにはなっているんですが、通常は無人状態なんです」
「なるほど、それでどなたかに送って頂くという訳にはいかないのですね。分かりました」彼女は納得したようだった。
36に続く

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子は親に反発する2

子は親に反発する2

人生の途中からキリスト教に改心した人たちは誰もがその時まで、この世的な利益や富を追い求めていた人たちである。この世的な快楽をとことんまで追い求めた結果、それらは本当の満足を与えてくれるものでないことに気づいた。そこで改心したのである。誰も子供の頃からキリスト教的ではなかったのだ。それをともすればキリスト信者の親たちは自分の子供たちをなるべく早くから改心させようとする。私はそれには賛成出来ない。キリスト教に改心するのは飽くまで子供たちに気づかせるべきだ。彼らが自発的に信仰に向かうようにすべきだと思う。
中途半端に世に染まった状態で改心したとしても、その有難さは実感できるものではない。また改心するためのエネルギーが湧いて来ない。海底深く潜って底を蹴ることで浮かび上がる力が出て来る。親は子供がこの世の悪に染まるのを神経質に捉えるべきではない。まして親の基準で悪に傾きかけた子供の行動を評価して規制してはいけない。子供には既に善悪を知る判断力はついている。その判断力に任せ親はじっと子供を見守ることも必要なのだ。

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