独善なスポーツ

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夢診療所20

その20)
(悲惨な過去の清算)
「こんにちは。今日は夢の解析ではないんですが、大丈夫ですか」A氏は恐る恐る受付嬢に尋ねた。
「夢以外の相談とおっしゃると、どんなことですか」受付嬢は怪訝そうな様子だった。
「昨日見た夢はすっかり忘れてしまったんです。その代わり、胸に引っかかる過去の影が消えないんですよ」
「ああ、そういうことですか。夢ではなく、あなたの過去を解析するということですね。それはたやすいことですよ。夢も過去も大差ありませんからね。過去の記憶の内でも、深層に収めておくには余りにも活発過ぎる記憶が夢に出て来るということです。そこで元を正せば、夢でも過去の記憶でも、ある一つの体験に終着するのです」
「はあ、難しいことは良く分かりませんが、悩みを聞いて頂けると聞いて安心しました」彼は受付嬢にこんなにも深い見識があるとは思わず、彼女を見直してしまった。
「では奥の方へどうぞ」
 彼女に導かれてA氏は廊下の奥にある緑の扉の部屋に入った。しばらく待つと心理士が入って来た。
「Aさん、今日は夢ではなく、心の悩みがあるそうですね」
「はい、昨夜は夢を見たはずなんですが、朝方、二度ほど目が覚めて寝直した途端に、見た夢がすっかり頭から抜けてしまいました。寝直すと良くないんですかねえ」
「一度、目が覚めてから寝直したとして、前の夢の続きが見られることは滅多にありません。普通、その時点まで見ていた夢はすべてクリアされて、新たな夢を見ることになるのです。ところが寝直した後は、じきに起きなくてはいけないという意識が入り込んでいますので、リラックスした状態で夢を見ることはできないのです」
「はあ、そんなもんですか。夢を見るタイミングは微妙なものなんですね」
「そうですよ。夢を見るには幾つかの条件が必要なのです。夢を見るための一番大きな条件は、現状に対する不満足感でしょう。現状に不満が多いと、心は夢の中で、その不満を発散させようとするのです。Aさんが夢を憶えてないのは不満が少ないからでしょう」
「え、そうなんですか。じゃあ、喜んで良いってことですかね」A氏は首をかしげた。
「そう思われて良いですよ。夢を見ないというのは、現実生活を肯定してあまり不満を感じてないと解釈して良いのです。ところでAさんの今の悩みとは何ですか。セッティングし終わったモニター画面を見てみましょう」
モニターは運転席から外の情景を捉えていた。車は登りの急坂に停車しているらしく、前方の信号がはるか上方に見える。信号はT字路にあり、前方の道路は左右一直線に延びていた。信号が青になった瞬間、A氏の右足はアクセルを踏み込んだ。前方の車はすべて発進したのに、彼の車は止まったままだった。その内、後ろからけたたましいクラクションが鳴った。
「僕はこの時、得意先へ行った帰りで、会社に戻るところでした。その日乗ったD社の軽四輪は朝からエンジンの調子が悪かったのです。エンジンが今にも止まりそうな、か細い回転をしていました。僕も急坂発進には気をつけていたんで、何度もエンジンをふかして発進準備をしていたはずでした」
「それなのにエンストを起こしたって訳ですね」
「その通りです。エンストを起こした後、エンジンをかけ直して今度は上手く発進できて、T字路を左折したのです。ところが後続の乗用車が発進直後からクラクションを鳴らしっ放しで、僕は『しつこい車だな』と思いながら無視して走り続けたのです。後続車の運転手は執着型の性格だったのでしょう。クラクションを鳴らすだけでなく、窓から手を振って僕の車に止まるように合図をしたのです」A氏は当時の苦々しい思いを絞り出すようにして語り続けた。
「それでAさんは止まられたのですか」心理士も心配そうに問いかけた。
「仕方なく信号から100mほど走って止まりました。角にはホテルOがありましたので、そこのベルボーイが興味深げにこちらを見ていました」
21に続く

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夢の検証347

夢の続き

西新井S教団の責任者であったKさんとワゴン車にダンボール箱を積んでいた。次男も一緒だった。積み終わると猛スピードで杉並に向かった。途中トラックを追い越しながら突っ走しった。交差点でブレーキを踏んだら他の車とぶつかりそうになった。
杉並の処理場に着くとダンボール箱を下ろし始めた。もう1台大型のワンボックスカーが到着していた。ほぼ積み卸しが済んだので次男と一緒に隣のプールで泳いだ。衣服のままだったので、上がると上から油を塗られた。知らない内にKさんはワンボックスカーに次男を乗せて長野に行ってしまった。帰りのバスを探したが見つからなかった。

検証347
S教団のKさんにはよく手伝いを言いつけられたものだった。世話にはなっていたが何ともけむたい存在ではあった。Y運輸でダンボール運びは経験済みだった。Kさんは運転も乱暴だった。
処理場とはバザー場かも知れない。そこでは大量の荷物が積み下ろしされている。ワンボックスカーには大量の荷物が積めるだろう。積みおろしが済んでプールで泳ぐとは不思議な出来事だ。

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