空気入れが目に入る

空気入れが目に入る.jpgnyanmage.JPG
nice!(0)  コメント(0) 

夢診療所14

その14)
モニターには列車に乗っていたり、駅周辺のみやげ物屋に入ったりしている場面が映し出されていた。
「Aさんは列車の旅がお好きなようですね。旅行場面には必ずと言って良いほど列車が出て来ますね」
「そうですね。私はバスより列車が好きなんですよ。バスには酔いやすいですからね」
「列車の旅で不都合なことはありませんか」
「実は乗ろうとしても丁度、良いタイミングで列車が来ないのです」
「それはお困りですね」
「そうなんです。列車が来ないために帰りが遅くなるんです。すると次の日、会社に間に合わない事態も起こるのです」彼は弱り果てた様子だった。
「それはきっと会社に遅刻するという恐れが、潜在意識に強く残っているのでしょうね。遅刻することに対して余程、潔癖な考え方をしておられるのですね」
「サラリーマンなら誰でもそうですよ。遅刻は今でも恐怖ですよ。給料に直結しますからね。特に以前の会社ではタイムカードがなかった分、余計遅刻には誰もが神経質でしたよ。ワンマン社長が遅刻を厳しくチェックしていたからです。皆、彼の眼を恐れていたんです。僕もその一人でした」A氏は当時を思い返して暗い表情になった。
「それでAさんは夢でも、極度に遅刻を怖がっていたのですね。旅行先で終電がなくなり、自宅にその日に帰れないとなると悲劇なのですね」彼女は同情するように見ていた。
「夢っていうのは、何で自分の怖れている方向に向かって、話しが展開するんですかねえ。不思議ですよ」
「それはあなたの潜在意識が自由になると、不安に包まれているっていうことですわ。私どもは訓練次第では、潜在意識さえも楽観的にできると信じるものです」心理士は自信に満ち溢れていた。
「私も早く自信に満ちた夢を見たいものですな」
「この旅行カセットは貸出し自由ですので、今日持ち帰られますか」
「はあ、是非持ち帰って試させて下さい」
「そのカセットは優れ物で、旅行アダプターだけでなく、性格アダプターも接続できるのです」
「性格アダプターって何ですか」A氏にとっては聞き慣れない言葉だった。
「性格アダプターは夢の中で、あなたの性格を変えてしまうのです。もし現在、内気な性格でしたら積極的になることもできるのです」
「そのアダプターも面白そうですね。次回はそれも試してみたいものです」A氏は期待に胸を膨らませた。
数日後、A氏は再び心理研究所を訪れた。
「Aさん、旅行カセットの効果はいかがでしたか」心理士は興味深げに質問した。
「それが思っていたほどの興奮が得られなかったんですよ」A氏は浮かぬ表情だった。
「思う存分、旅行がお出来になったのではないのですか」彼女は不服気だった。
「行きたい所へはすべて行ったんですが、何のハプニングもなく、つまらなかったんです。前に体験した通りの日程だったり、以前、夢に出た映像がそのまま映し出されて、何の緊迫感も伴わなかったんです。単にビデオテープを見てるような感じだったんですよ。僕はもっとスリルがあると期待してたんです」
「それが機械の悲しいところです。あなたの過去を忠実に再現したので、ハプニングなどは起こりようがなかったのですね」
  15に続く

nice!(0)  コメント(0) 

機能確認と希望

機能確認と希望

男には機能確認が必要である。第一に目からの刺激についてはスーパー、駅構内、職場で目にする胸の膨らみにより局部が充血するかである。第二は記憶と圧迫を通じて局部が臨戦態勢に至るかである。第三は肌の触れ合いと摩擦により局部が臨戦態勢から噴火に達するかである。
女性はある年齢に達すると機能停止に至る。機能停止後は性欲以外の欲望にのみ関心を払えば良い。エネルギーの分散がないので長寿は当然の結果である。男は性欲の機能確認を死ぬまで継続しなくてはならない。機能確認に成功すれば希望につながるが、失敗すれば人生の見通しは暗い。常に希望を失う可能性と背中合わせの宿命を担う男の生涯は短い。

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。