背伸びと過信

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夢診療所33

その33)
「さすが先生です。良く男の心理を見通されていますね」
「それはそうですよ。私は男の方の心理ばかりをずっと研究してますからね。自分の心理は良く分かりませんが、相手の心理は手に取るように分かってしまうのです」
「そうですか。先生の前に立つと心の奥底を見透かされたようで恐いですよ」
「あなたが何も疚しいことを考えられないなら、気にすることはないではありませんか」
「そうですね。男は変に下心を持つから、時に女性の前で言動がギクシャクするのですね」
「良くお分かりのようですね。それでは昨夜のことを白状して下さい」
「白状だなんて犯罪者のような言い方はよして下さいよ。何も包み隠しはしませんからね。もう、お気づきのように僕はパソコンで画像を見た後、すぐにトイレに駆け込み処理しようとしました。するとトイレをノックしたのは妻でした。僕は処理の最中に彼女に声をかけられ、一瞬萎縮しました」
「不倫の現場を押さえられたみたいですね」
「おかしな言い方は止めて下さいよ。僕は何気なく彼女に受け答えし、彼女がその場を去った後、すぐに果てました。その時、ふと思ったのです。もし妻がH画像を目撃していたらどうなっただろうかと。僕はトイレの中で思わず、身震いしました。こんな危険は二度と冒すまいと心に誓ったのです」
「今回、何故そんな危ない試みをしたのですか」
「僕はてっきり妻は、下の子と子供部屋で寝てるとばかり思ってました。それは思い込みだったのです。実は彼女は一人で、音楽室の隣の部屋でテレビを観ていたのです。その時、何故か子供は階下の部屋に行っていたのです。彼女は僕と息子の様子を見に部屋から出て来て、僕がトイレにいたのを発見した訳なんです」
「それでは奥様がもう少し早く部屋を出ていれば、AさんはH画像現場を押さえられていたことになりますね」
「そうなんです。本当に恐ろしい思いをしました」
「では夢の内容に入ることにしましょうか」心理士は機器のボタンで映像を進めた。
 モニターには自転車屋の若奥さんに、しきりに何かを説明しているA氏の手先が見えた。彼が差し出す手を避けるように、彼女は後ずさりしていた。
「Aさん、今度はこの奥さんにちょっかいを出しているのですか」心理士は苦笑いした。
「また先生、よして下さいよ。僕は自転車の不具合を説明してるだけです。自転車の変速が上手くできないので、近くの自転車屋に持って行った訳です。初め店の主人に話したのですが、後から若奥さんに仕事を振られたのです」
 モニターには次々、説明している最中にも、A氏の手が若奥さんの腕や手に触れる様子が刻銘に映し出されていた。
「Aさん、こんなにも彼女に触れる必要性があったのでしょうかねえ。自転車の故障を説明するには、不自然な場面が何とも多いようですねえ。彼女も困って、近くの娘さんに助けの目線を投げかけていますよ」
 事実、彼女はA氏からその身を避けるようにして、近くの娘たちのそばへ身を寄せた。
34に続く
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虎の威を借る狐5

虎の威を借る狐5

人生経験の少ない子供が威張ったりするのは可愛げがあるが、人生経験をある程度、積んだ者が未だに偉ぶっているのは自分の軽薄さを周りに暴露しているようなものだ。威張る者に特徴的なのは怒りを移すことだ。ある相手に対する怒りを辺りにまき散らす。怒りを自分の内に留めておくことが出来ない。しかも他人に降りかかった不都合さえも自分のことのように怒ったりする。
威張る者は自己評価が高く自尊心が高い。従って自分が少しでも傷つけられると怒りの感情に晒されやすい。従ってある意味、怒りは相手の態度によって起こされる。相手が自分を馬鹿にしたとか相手の自分に対する態度が気に入らないとかの理由が多い。高ぶった自分が他人から正当に評価されないことで怒る。怒りやすいために益々威張っているように見られる。神に対しても威張り怒ってばかりいるので神に対する不満は絶えないのだろう。可哀相な人だ。

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