意識が落ちる

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夢診療所32

その32)
(自転車屋の若奥さん)
「こんにちは、今日も暑いですね」A氏は息せき切って、研究所へ飛び込んで来た。
「こんにちはAさん、どうされたのですか。慌てていますね。額に汗が滲んでいますよ」
「はあ、昨夜、色々とあったものでご相談に来ました」
「では、どうぞ奥へおいで下さい」
受付嬢は廊下奥の緑の扉へと導いた。
「中でしばらくお待ち下さい」
 A氏は未だ息を切らせながら、窓の外を眺めた。雲一つない夏空が広がっていた。この空には不純な思いは一切、入り込む余地はないと思っていた。
 しばらくするとノックと共にドアが開いた。
「お待たせしました、Aさん。今日はいつもより早いですねえ」
「はあ、心につっかえるものがあって、早く来てしまいました」
「一体どうされたのですか」心理士はそう言いながらも、手早く機器のセッティングを済ませた。
 モニターにはパソコン画面が映し出されていた。周りにはエレクトーンも置いてあり、音楽室らしかった。パソコンにはいきなりH画像が映り始めた。
「ちょ、ちょっとストップ、待って下さい」A氏は慌てて画像を止めようとしたが、間に合わなかった。
「Aさんも好きですねえ。また、こんな他愛もない画像を見られてたのですかあ」心理士も半ば呆れ顔だった。
「先生にそんな顔をされると全く面目がありません。この日はほんの5分程度で止めたんです。そしてもう少し延長してたら、それこそエライことになったのです。ヒヤリハットも良いとこでした」
 A氏の言った通り、モニターからすぐにパソコンは消え、トイレの壁が目の前に映し出された。
「Aさん、あなたトイレにしゃがんで何をされてるのですか」彼女はA氏の目線が便座に腰掛けている目線なのを敏感に感じ取っていた。
「いやあ、あの、その」A氏は益々、慌てて口ごもった。
「Aさん、私には何を隠しても無駄です。はっきりおっしゃらないと解析にはなりません」
「先ほどからモニターに映っていたのは、夢ではなく、現実なのです。現実なので僕はすぐには客観的に見れなかったのです」
「それは良く分かりますよ。夢ではあなたの意志が全面的に支配しているとは限りません。ですから夢はどんな夢でもある意味、許されるのです。ところが現実の出来事では、すべてあなたの意志が係わっています。意志が全責任を負うのは仕方のないことです」
「ですから僕は昨夜の出来事に対して、言いようのない罪悪感を抱いてしまったのです。実はトイレで自慰をしていました」
「はあ、私もそれには気づいていました。だってH画像を見た後、すぐにトイレに飛び込むのは、その目的以外には考えられませんものね。男の方は単純ですね。見て興奮して、すぐに放出すれば気が済むのですからね」心理士は意味あり気にほくそ笑んだ。
33に続く

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虎の威を借る狐4

虎の威を借る狐4

空威張りと言われるように威張る者には内容が伴わない。つまり自分自身を客観的に捉えていないのだ。自分自身を主観的に捉えれば、そこには感情が移入される。すると自分を現実よりも高く評価したいと言う欲求が理性を抑える。そこで自分の気持ちとして自分を過大評価してしまう。すると周りに対し自分が偉くなったように錯覚する。そこで威張りたくなるのだ。
自分を過大評価した時点で理性は欲望に負けている。その状態では神を見る事は出来ない。何故なら神は理性の支配下でないと見る事は出来ないからだ。神を見る時には感情や欲望が伴っていては見られない。あくまで理性に基づく冷静な頭でしか神を見る事は出来ない。何故なら神を認識出来るのは冷静で自分を客観化できる心の状態に限るからである。従って人に威張る者は自分の評価自体を欲望に従って主観的に見ているために神を見る事は出来ない。もし神が見えたとしても神に対しても高ぶる可能性が大きい。

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