信仰の先達2

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良太の転機26

その26)
占いと運勢
「あなた、そんなに真剣に占いを捉えなくたって良いじゃないの。気楽に単なるアドバイスとして受け止めれば良いじゃない。『当たるも八卦、当たらぬも八卦』よ」温子は気楽だ。
「僕は君みたいに気楽にはなれないね。どうしても言葉に影響されてしまうところがあるんだ。信用してる訳じゃない。ただ運勢で語られる言葉が何らかの心理的作用を及ぼすと思われてならないんだ。それを無視しようとするのは言葉にこだわっているからなんだろうが、僕は心を常に自由で束縛のない状態に保っておきたいんだ。占いや運勢の言葉は平穏な僕の心に必ず波風を立てるんだ」
「女の人は占いや運勢が好きなのよ。それだけ他力本願的な部分があるんでしょうね。いくら女性上位と言っても女は男に影響されることが多いのよ。あたし達は自分で判断するように見えて実は最終的な判断を他人に委ねているところがあるんだわ。日本に古くから伝わる風潮『幼くしては親に従い、結婚しては夫に従い、老いては子に従う』が今でもか細くはあるけれど息づいているのよ」

男の特徴
「男は初めから運勢や占いを馬鹿にしてかかっている。判断は自力でするものだと決めている。人の意見はほんの参考程度にしか聞かないんだ。自分で下した判断を単に確認するだけに過ぎない。占いも運勢も全く信じちゃいない。単に自分の判断に合致した部分だけを心に留めているんだ。
男はプライドが高く、自説を曲げない動物なんだよ。男の自我を取り崩すことは容易なことじゃない。昔から頑固なのは親父に決まっている。年齢が進めば男の頑固さは増し加わるってことさ。女性には自説ってものが、そもそもないんじゃないのかい」良太は挑発的に言った。
「そんなことないわよ。あたし達だって自説ってものはあるわ。ただ、あたし達女は頭が柔軟なだけよ。自説だけにこだわったり、面子をあまり気にしてないだけよ。自説が正しくないと分かったら、すぐに捨てることだってできるのよ」
27に続く

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