復活と躓き

復活と躓き.jpg
Dr.Clark.JPG
nice!(0)  コメント(0) 

良太の転機23

その23)
自我の確立
「女だって弱いわよ。我慢してるだけだわ」温子は不満そうだった。
「我慢できるってことが強さなんだよ。男は女性ほど我慢強くない。と言うことは男の自我は脆い基盤の上に打ち立てられてるようなものさ。それを正常に保つために僕たちは努力を惜しまないんだ。努力と言うより自我を守らざるを得ない切迫した状況に常に立たされるってのが正直なとこかな。
そうした眼で息子たちを見てると守ってやらねばならない部分が多い。同時に彼ら自らが自我を鍛えるために、親として援助してやれることは何かと考えざるを得ないんだよ。{キリスト教の愛}を知ることは必要かも知れない。でも自我をうっちゃってまで彼らにそれを吹き込むことは益がないばかりか有害とさえ思えるんだ。
無菌状態の生き物は外界からの刺激に弱い。抵抗力がないからだ。中途半端な自我には抵抗力がない。僕がこの年まで社会の荒波の中で、もがきながら進んで来れたのは、しっかりした自我が備わっていたからだと思う。自我が確固としていたから{キリスト教の愛}と引き換えにそれを捨てることができたんだ。自我が中途半端にしか育っていなければ、それを捨て去ることもできないんだ。捨て去る前提には明確な自我の確立が不可欠なんだ。

歴史的人物の例
聖書に出て来るパウロはキリスト教を迫害していたが改心してクリスチャンになった。彼は元々ユダヤ教徒で厳格な立法を守り、揺るぎない自我を持っていた。恐らく頑ななまでのこだわりがあったんだろう。だからこそ彼の改心は驚異的な変化を彼にもたらした。人格の180度転換とも言えるものだった。愛の全く欠けたパウロの心が{キリスト教の愛}に満たされた結果だった。
ジョン・ニュートンは1725年から1807年まで生きた人だが、当初は奴隷商人だった。ある時、彼は貨物船{グレイハウンド}に乗ってアフリカから英国への帰路にあった。そこで大嵐に遭い九死に一生の得た。彼が24歳の時だった。その経験から彼は{神の愛}そして{キリスト教の愛}を知った。6年後には牧師となり、人々に{神の愛}を説きながら奴隷制度廃止に尽力した。
24に続く

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。