信仰の先達1

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良太の転機25

その25)
謙虚な思い
「そう言われると自信ないわねえ。他の人の為に使ってる時間なんて微々たるものよ」
「そうだろう。僕らは基本的に利己的なんだ。それを認めることが第一歩なんだよ。クリスチャンとして福音を他の人に伝えることも利己的な発想と言えないこともない。自分の価値観を最善だと信じ、それを他の人にも納得してもらおうとすることだからね。自分の周りにクリスチャンが増えれば、クリスチャンとしての自分のステイタスが上がると感じてしまうんだ。クリスチャンとて人間の性から完全に脱し切れていないんだよ」
「そう言われるとあたし、恐くて福音活動なんてできないわ。自分の意見の押し付けみたいに思えて来たもの」温子は考え込んでしまった。
「あまり深刻になることはないよ。僕らは信じていることを捨てる訳にはいかないし、正しいと思う事は、いつまでも言い続けなくちゃいけない。大事なのは自分の信じているものが最善だと言う傲慢さを捨てることだね。身を低くして相手に接すれば、相手は言葉からではなく態度によってクリスチャンの生き方に興味を持ち、共鳴するようになって来るんだ。
牧師さんも大量の改宗者を一挙に出そうと意気込まずに地道に一人ずつ改宗者を増やして行くように働きかければ良いんだ。組織拡大だけを目指した教会は結局、先細りになると思う。一人は一人しか一度に改宗できないと考えた方が良いよ」

伝道の困難さ
「今の世の中じゃ、一人が一人を改宗させることだって難しいんじゃないの。あたしも幼稚園や小学校を通じてお母さん方と親しくはなったけど、なかなか信仰や福音の話までできないわね。宗教の話をすること自体が難しいもの」
「そうだよ。職場でも宗教の話なんてできるもんじゃない。よほど個人的に親しくならないと、そういう話はタブーなんだ。占いを通じて人生の指針を求める人達は大勢いても、それは宗教へとは結びつかない」
「何故なのかなあ。占いは自分の生き方に不安を感じる時に頼るものでしょ。人生に不安を感じたら心の拠り所となる宗教に目覚めても良さそうなものなのにねえ」
「人々は指針だけを求めてるんだ。自分の生き方を根本的に変えるつもりはないんだよ。占いを単に道しるべのように利用してるだけなんだ。
僕は職場で聖書研究会を開いてるけど、クリスチャンでも占いに興味を持ってる者がいるとは驚きだった。それ以外でも何人か占いに興味を持っていた。僕なんか占いがテレビに出て来るとすぐチャンネルを変える口なんだよ。占いなんかに心が惑わされるのが許せないんだ。人の言葉で今日一日が左右されてしまうのが許せないんだ」良太は急に興奮して来た。
26に続く

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