危険な決め付け

人生の失敗３３

第３３回
ノアの箱舟
その後世は乱れた。自我のなすが儘に振る舞い神に従う者は殆どいなくなった。そこで神の怒りが地上にもたらされた。地上を洪水で覆い地上から生物を絶滅させる計画だ。随分大胆な計画のように思う。
神に従順であったノアとその家族だけが生き延びることを許された。ノアは心の声に敏感で自然現象に精通していたのだろう。洪水をいち早く予測して誰も思いも及ばないような巨大な箱舟を造った。周りの者たちの物笑いとなった。だが少数派が生き残った。
滅ぼされた者たちは自我の抑えが効かず自由気ままに振る舞った者たちだった。彼らは単に現状の快楽しか考えていなかった。その快楽の代償として貴重な未来を失うことを予測できなかった。正確な未来予測は潜在意識の為せる技だからだ。
時代を生き延びるには自我に頼るより潜在意識に頼った方が良い。自我の能力は限られているのに対し、潜在意識には無限の力が備わっている。自我は意識が及ぶ範囲の人間的な判断しかできないが、潜在意識には人間を造った存在の判断が内包されている。
３４回に続く