性の惑い

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人生の失敗4

第4回
盗みの罪
小さい頃の住まいは長屋暮らしで3軒が同じ屋根の下に連なっていた。右隣が用品店でその隣が薬屋だった。私はその店のおばあさんと親しくしていたのでよく遊びに行った。薬にはおまけがつきものだ。その中でも昔は子供が喜びそうなおまけがあった。
1枚の紙なのだが綺麗な印刷がされていて切り抜きができるようにミシン目がついていた。それを切り抜いて組み立てると家とか車とかが出来上がった。その中でも私が気に入ったのがあった。その切り抜きをおばあさんから初めてもらった時はうれしかった。
その2,3枚で我慢すれば良いのに私は欲張りだった。さらに枚数がほしくなった。そこである日おばあさんが店にいないのを幸いに店頭の裏にあったその切り抜きを大量に失敬したのだ。後でその行為がばれて気まずい思いをした。でもそれほど酷く怒られた記憶はない。
それはおまけだったから酷く怒られなかったのかも知れない。私もおまけだからと言う言い訳が心にあったのかも知れない。でも盗んだ時、明らかに良心の咎めは感じた。悪いことしていると感じてはいた。
もう一つの盗みは家での行為だった。茶の間に箪笥の上に小銭を入れた貯金箱があった。その貯金箱は正十六角形だか正二十角形だかのプラスチック製だった。壊すわけにはいかないので小さい投入口から抜き取ろうと試みたが上手く行かない。
私はそれを抱えてトイレに入った。昔のトイレは汲み取り式で足元に小窓が開いていた。私は貯金箱から小銭を取り出すのに夢中でその小窓から母親が見ているのに気づかなかった。そして盗みが発覚した。
その夜、両親から酷く叱られた。正直に言えば小遣いをくれる良心だったが黙って盗むことに容赦はなかった。父親は暴力は振るわなかったが近くの交番に連れて行くと言って手を放さなかった。その時は恐怖だった。罪には罰が伴うことを知った。
5回に続く

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