克己

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生きにくい27

その27)
(縛られた性欲)
性欲に関して、本来の生殖行為から快楽だけが分化したのは何故でしょうか。
原因は人口が増え過ぎたことです。動物は自然の法則により、生殖活動を行なっています。彼らには天敵がいます。そして自然死も多いのです。従って、生殖行為は種族保存にとっては不可欠なのです。
動物にも当然、性欲はあるでしょうが、それは生殖活動の一環であり、種族存続に係わっています。しかも動物には発情期が決まっており、のべつ幕なしにできる人間とは違うのです。
原始時代の人類は恐らく動物に近い生殖活動を行なっていたのでしょう。ところが火の発見と道具の発明が、人類の運命を根本的に変えたのです。人類はどんな寒さの中でも、火があれば過ごせるようになりました。動物とは生活習慣が全く変わったのです。
火があれば、寒い冬でも冬眠せずに、快適に過ごせます。季節に係わらず、いつでも生殖活動ができる条件が整って来たのです。火のない冬山で性欲は萎えますが、洞穴で焚かれた暖かい焚き火の周りでは、性欲はかき立てられます。
道具の発明も、人類の性欲に変化をもたらせました。それは人類存続にとって幸運でしたが、性欲にとっては不運でした。武器を使い、人類にとっての天敵を大幅に減らせたのは、人類存続にとっては有利でした。武器を手にした人類に立ち向える動物は少なくなったからです。
天敵がいなくなると人類の生存率は飛躍的に上がったことでしょう。すると人口は急増し、以前のように無制限に生殖活動をする必要はなくなって来たのです。
何故なら、人口が増加すれば居住地を拡大せざるを得ません。無制限に居住地を拡大すれば、隣国との争いが生じます。そこで領土を無制限に拡大することのできない人類にとって、人口を抑える必要が生じて来たからです。それ以降、人類は避妊という手段を取り入れることで、辛うじて性欲充足にとっての逃げ道を用意して来たのです。
28に続く
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