夢解析器27 前編

(前編)
「こんにちは、今日は冬晴れの穏やかな一日でしたね」A氏は入って来るなり明るく声をかけた。
「あら、こんにちは。Aさん、久しぶりですねえ。どうされてましたか。ここんとこ、お顔が見えないので心理士とも心配していたんですよ」受付嬢はびっくりすると同時に嬉しそうな声を上げた。
「はあ、少し風邪気味の時はありましたが、寝込むこともなく元気でした」
「それは良かったですね。暮れが近いので大分、お忙しいのでしょうね」
「そうですね、本業の他に夜バイトをしてますので、そちらが忙しいですよ。お歳暮関係の仕事ですからね。ここんところ、日中忙しくて取り立てて記憶に残る夢を見なかったんですよ。ところが今朝、久々に空を飛ぶ夢を見たんで、心に変化があったか心配になって来ました」
「そうですか。では早速奥へどうぞ」と言って受付嬢は廊下奥の緑の扉へと案内した。
A氏が部屋に入り暫く経つとノックと共に心理士が入って来た。
「あら、Aさん、お久しぶりですね。どうされてましたか」
「はあ、先ず先ず元気で過ごしておりました」
「そうですか。それはなによりですね。もうあと2週間で今年も終わりですね。今年中にAさんとお会いできて安心しましたわ。皆で噂してたんですよ」
「そうですか。僕のことを心に掛けてもらって有難いことです」
「今日は夢の解析ですか」
「はい、久々に夢を見ました。空を飛ぶ夢が壮大だったものでお話しに来ました」
「そうですか。では、さっそく画像を見てみましょう」心理士は手早く機器をセッティングし、センサー端子をA氏の額周辺に貼り付けた。画面には海を見下ろす上空からの風景が映し出されていた。
「あ、この場面は空に飛び上がった直後のものです。少し巻き戻して頂けますか」
映像が巻き戻ると事務所でA氏が電話の受け答えをしている場面が映し出された。
「あ、ここで良いです。この辺から始まりました。この時、コピー機かファックスの故障連絡を受けていたのです」
「普段、そのようなお仕事をされてるのですか」
「そうです。機器類の故障に対処するのも仕事の内です。そこで僕は隣りのグレイスと言う老人介護施設へ直行したのです」
画面には迷路のような通路が延々と続いていた。右へ曲がったり、左へ曲がったりしながら、その通路を突き進む内にある部屋に到着した。横には一人の若者が同行していた。
「その若い方はどなたですか」
「彼は同じ部署のS君です。彼が本来、この施設の担当者なのです。僕は普段、彼に同行することはないのですが、この時は特別だったのです」
「何か特別な事情があったのですか」
「そうですね。先週末、クリスマスパーティーがありまして、そこの施設のKさんとU所長と親しく話したのが心の隅に残っていたのかも知れません」
「はあ、それでAさんはグレイスの事が気に掛かっていたのですね」
画面上では部屋の右側にコピー機らしき物があったが、正面にはもう一つの扉があるようだった。二人はその扉の前に立つとA氏がいきなり掛け声を掛けた。「開けゴマ」
すると、その声に反応してその扉は左右に開いた。その向うには廊下が左右に走っており、そこを数人の看護師さんが行き来していた。
「僕が廊下に出ると左側の壁際に消耗品棚がありました。何故か僕はそこで単3の電池を8本探していたのです」
「Aさんは出庫のお仕事もされているのですか」
「はい、そうです。僕は倉庫管理をしているのです。単3電池は8本見つかりはしましたが、何と大半が使い古しだったのです。僕は消耗品担当のH氏に対し苛立ちを覚えました」

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夢の検証320

夢の続き

三軒茶屋の回転寿司にB病院のHさんが来ていた。自宅からバイクで来たらしかった。事故を起こしても乗り捨てて逃げられるのが理由との事だった。
ステージがある会場の外でエレキベースを生で弾いていた。ベンチャーズを弾くと周りに人が寄って来た。開演時間近いので機材の準備をした。アンプが見当たらないので人から借りた。接続コードが短くて弾きずらかった。楽譜も見当たらないので不安になった。

検証320
Hさんは八王子に住んでいた。そこからバイクで来るとはご苦労なことだった。さすがに事故に遭った時のことまで考えているとは恐れ入った。
かつてエレキギターに憧れ質屋で5千円で手に入れたがアンプがなかった。秋葉原で部品を集め手作りしたがすぐに壊れてしまった。ステージの開園時間前は本当に緊張する。

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