良太の冒険 最終回

その20)
(報告)
良太は次の日さっそく、倉品と一緒に金庫を聖ピエトロ教会の長老に届けた。ところが、その金庫には残念ながら、宝は入っていなかった。代わりに数冊の古文書が入っていた。後から聞いた話では、それらの古文書は教会にとっては大事なものらしかった。
Jesus Christを取り巻いていた女性たち、聖母マリア、マグダラのマリア、Jesus Christと仲が良かったマリアたちのことが記されていたと言う。それらの記事は昔レオナルド・ダ・ヴィンチが記載した記事によるところが多く、後々キリスト教会全体に大きな波紋を呼び起こすきっかけとなる重要書類であった。
良太はこの功績を認められて、聖ピエトロ教会の長老から感謝状と金一封を授かった。彼は宝を手に入れられなかったが、今回の探検で自分の限界に挑戦できたことが嬉しかった。彼は精神的に過去の自分から脱皮できたと感じていた。
彼の中ではもう、山口など問題ではなかった。同様に冴子や足立教諭もどうでも良くなってしまった。良太は自分の限界に挑戦する尊さに最上の価値を見い出し、その結果、自己から脱皮する術を体得したのだった。


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