良太の転機 最終回

最終回)
良太は魂の救いについて男が有利なのか、女性が有利なのか思い巡らした。女性はキリスト教に入りやすいのは確かだ。かと言って心底、没頭できるかは別問題なのだ。男にとってキリスト教の敷居は高い。ところが一度その敷居をまたぐ決心をした男は生き方が180度転回する。男は変化を受け入れれば根底から変化するものだ。彼は20歳の頃、自分の身と心に起こった180度転回を思い起こしていた。
もし、その転回がなければ今の良太は存在していなかっただろう。現状を有りのまま受け入れることができるようになった。どんな試練にも不平を鳴らすこともなくなった。成功に際しても無闇に自己を誇ることがなくなった。
良太はこんなにも平安な気持ちで毎日を過ごせる喜びを感謝していた。自分の思いを心おきなく表出できる文筆という表現手段を手に入れられたのも天の恵みだと信じていた。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

折れる神の理屈 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。