人生の失敗27

第27回
聖書
聖書は自我と良心との葛藤を象徴的に描いた書物だ。家には聖書やその関連図書が山ほどもあった。私はそれまでは見向きもしなかった聖書を読み始めた。そしてイエス・キリストの生きざまに衝撃を受けたのだ。彼は全く自我を捨て去っていた。
自我を捨て己の欲望を断ち切っただけではない。さらに本来自己の欲求を満たすために働く自我を逆利用し他人のために尽くした。彼は時代の変革者でもあった。当時ユダヤで幅を利かせていた律法学者を廃するために命を賭けた。
律法学者を敵に回したイエスは彼らの術策により十字架に掛けられた。その死が人類に救いをもたらす結果となった。劇的な死を遂げたイエス・キリストの生涯を記した書物が新約聖書と呼ばれる。

ゼロからの出発と180度転換
私は一時身体を壊し死の恐怖を身近に体験することで命の尊さを知った。この命が天からの授かりものだと気付いた時に目が開かれた。残された毎日は大事に過ごさねばならない。与えられた命は無駄にはできない。
イエスの生きざまを知ってから自我に翻弄されていた自分が馬鹿らしく思えて来た。自分の利益を犠牲にしてまで人に尽くした男がいたことに感動を覚えた。徐々に私の自我はその勢力を失って行った。
自我が弱まると同時にかつてあれ程強く感じていた体育教師に対する恨みも消えて行くのが不思議だった。聖書に書かれているイエス・キリストの言葉で傷ついた自我さえ癒されて行ったのは今までにない経験だった。
28回に続く

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